「脂肪細胞の数は子どもの頃に決まってしまい、幼少時に太っていた人はやせにくい」。実はいま、スウェーデンでそんな学説がささやかれ出し、注目を集めています。
でも、そもそも脂肪細胞って何? 日本における肥満研究の第一人者、近畿大学・医学部の阪上浩先生、教えてください!
「簡単に言えば、脂肪をためておくところです。ラクダのこぶと同じように非常時のために余ったエネルギーを蓄えておくものですね。その脂肪細胞が大きくなったり、数が増えたりすることを『太る』というんです。食物から摂る脂質は人間の大切なエネルギー源ですが、その摂取量がエネルギーの消費量より多いと脂肪として蓄えられ、脂肪細胞が大きくなるんです」
なるほど。では脂肪細胞の数について、冒頭の学説は本当なんでしょうか?
「興味深い学説ですが、脂肪細胞は血管や神経のまわりなど全身のいたるところにあるので正確な数を測定することは不可能に近く、まだ研究中という段階です。ただ『大人になってからは脂肪細胞の数は増えない』という意見には否定的な向きもあります。ダイエットのリバウンドなども脂肪細胞の数が増えたものだという意見もあるので」
では逆に、減らすことも可能ですか!?
「残念ながら現時点では不可能。私もいまある脂肪細胞を死にやすくしたり新しい脂肪細胞が生まれないようにして数を減らす研究を進めているところなんですよ」
成功を祈ってます! でも、数が減らせないとなるとやせるのは大変ですよね!?
「数が減らなくても、脂肪細胞が小さくなればやせますよ。エネルギーの消費量を摂取量より増やして余分な脂肪をためこまなければいいんです。そのためにはシンプルではありますが、食事と運動に気をつけることですね」
やっぱりダイエットには地道な努力が必要なんですね! ありがとうございました。ああ、私の脂肪細胞、死亡すればいいのに!
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