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三越の6店舗閉鎖 伊勢丹主導、屈辱的な決断

4月に発足した国内最大の百貨店グループ、三越伊勢丹ホールディングス(HD)。傘下の三越は9月25日、全国6店舗の閉鎖を発表した。1904(明治37)年にデパートメントストア宣言を出し、老舗のブランド力で全国展開する“三越モデル”の終焉(しゅうえん)を浮き彫りにした。「負け組・三越」と「勝ち組・伊勢丹」の組み合わせと揶揄(やゆ)され、社内融和が当初から懸念された両社の統合だが、リストラをめぐっても、激しいせめぎ合いが繰り広げられた。

 ◆小倉店売却で“圧力”

 「現場で奮闘している社員のことを考えると断腸の思いだ。ただ、成長のために決断は避けられない」

 HD社長を兼務する三越の石塚邦雄社長は、店舗閉鎖の発表会見で、無念をにじませた。

 計画では、旗艦店である池袋と鹿児島の主要店2店を来年5月6日に閉鎖。イオンのショッピングセンター(SC)にテナントとして入る武蔵村山店(東京都)、名取店(宮城県)、鎌倉店(神奈川県)、盛岡店(岩手県)の小型4店を3月1日に閉店する。

 三越は2005年にも大阪、横浜、倉敷を閉店しており、主要店は3年間で18店から13店まで減ることになる。

 三越の店舗閉鎖は、伊勢丹との統合が発表された昨年8月から絶えずささやかれてきた。

 両社の統合は「業績好調で鼻息が荒い伊勢丹と、業績不振にあえぎながらプライドが高い三越の連合」(業界関係者)といわれ、当初からグループの融和を懸念する声が強かった。それだけに、HD会長である伊勢丹の武藤信一社長は「地方店で三越はうまく経営している。店の持っている実質的な価値をみて評価しないといけない」と、表面上は三越に遠慮し、明言を避けてきた。

 ただ、伊勢丹は統合前の昨年12月に小倉伊勢丹の売却を発表し、リストラで先手を打ち、三越にプレッシャーをかけた。業界では「自ら血を流してみせることで、三越にリストラを迫った」(業界関係者)との解説がもっぱらだ。

 これに対し、三越内では「武藤さんは美術部をつぶしたりして伊勢丹を成長させたかもしれないが、三越は全国に店と顧客を持っている。費用もかかるのでやすやす閉鎖はできない」(幹部)との反発が根強かった。

 もっとも、三越の業績不振をみれば、店舗閉鎖が避けられないことは誰の目にも明らかだった。

 なかでも、焦点となったのが、三越内でもかねてから問題視されてきたSC内の武蔵村山と名取の2店だ。両店は、石塚社長の肝いりで策定された「三越ブランドルネサンス6カ年計画」の柱の一つで、武蔵村山はオープンから2年、名取はわずか1年しかたっていない。

 しかし、武蔵村山が7億円、名取も5億円の営業赤字をたれ流している。今回閉鎖を決めた6店の赤字は計17億円で、2店がその大半を占めている。

 郊外型の大規模SCは、地方都市の中心市街地に立地する百貨店から顧客を奪い、業績不振に陥れた“元凶”だ。特に三越はイオンの積極出店を批判してきただけに、「不倶戴天の敵」と手を握るという戦略の大転換だった。

 ところが、第1号の武蔵村山は、売り場面積が狭く品ぞろえが中途半端になったことや平日の来店客が少ないことで、オープン当初から苦戦が続く。そもそも、立地や高額なテナント家賃など条件が悪く、「三越以外にも話が持ち込まれたが、ほかはみんな断った」(在京百貨店幹部)といわれており、三越社内でも“石塚批判”がくすぶっていた。

 石塚社長にとっては、両店の閉鎖は戦略ミスを認める「屈辱的な決断」(関係者)だった。

 しかも、両店の契約期間は8年とされている。イオンの岡田元也社長は「契約があり、勝手にやめると言ってもやめられない」と反発しており、違約金などの費用が膨らむのは必至だ。

 三越は、50年以上の歴史を持ち、赤字も比較的少なかった池袋店の売却で約150億円の利益を得る。しかし、違約金などで食いつぶされ、銀座店改装といった戦略投資に回せない懸念もあり、経営責任問題に発展しかねない。



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