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「悪い円高」阻止は日銀の責任

 「同時多発型」とでも言うべきか、市場崩壊はどこでも起きる。つい1カ月前には米金融バブル崩壊の打撃は少なく、「ハチに刺された程度」と要人がうそぶいていた日本の金融市場が震撼(しんかん)している。東証株価は麻生太郎首相の「追加経済対策の早期策定指示」など全く眼中にないかのようだ。

 震源は日本にもある。タチの悪い円高である。円の急上昇が外需依存の企業が多い日本への悲観論を呼び、株売りパニックを引き起こす。財政で負の連鎖を止められるはずはない。今回の円高は金融現象であり、金融面で食い止めるしかない。

 米連邦準備制度理事会(FRB)による巨額のドル札発行はすさまじく、10月8日現在での資金供給残高は8月末に比べて6839億ドル、72%増えた。平常時の十数年分にも相当する規模だ。米金融機関が疑心暗鬼になった短期金融市場でドル資金を調達できないからだが、どこまでドル札を刷ればよいか見当がつかない。米議会でやっと成立した7000億ドルの不良資産救済プログラムも財源手当てに不安が残る。

 ドル札を垂れ流すのだから、ドル相場が下落するのは当然だが、主要国通貨を加重平均したドルの実効相場は意外にも上昇している。ユーロに対してもドルは上昇し、円だけが買われている。日本の余剰円資金を調達してはドル資産で運用してきたヘッジファンドなど米系投資ファンドなどが投資を清算してドルを売り、円債務を返済するために円買いが続くからだ。

 どうすればよいか。日銀が円札を刷り、その円で米国債を大量に買い上げるのだ。米金融不安の緩和に向け、日本は金融の量的緩和政策と介入で協調する。米国は不良資産買い上げに必要な国債を発行しても市場が消化できない恐れがあるが、円高の日本は「最後の貸し手」の役割を引き受けることができる。

 日銀がお札を刷り増すと、おカネはまるでダムの水のようにいっぱいになり、金融機関を通じて企業や消費者に貸し出される。そのカネは投資、消費を活発化させる燃料である。特に、金融機関の貸し渋り対策になる。また、日本の経験ではお札の供給が増えれば株価は上昇し、円相場は下がりやすい。

 日銀は9月以来、円資金を大量に金融市場に流しているが、短期間で市場から資金を引き揚げる慎重な操作に終始して残高を増やしていない。白川方明(まさあき)日銀総裁は米ワシントンで開かれる先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で1990年代後半の日本の金融危機の教訓を訴えるというが、量的緩和が遅れた失敗から学ばなければいけないのは日銀自身ではないだろうか。





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