10月10日は「慎之助の日」だ! 10月8日の「ジャイアンツの日」に阪神との天王山を制した巨人が、10日のヤクルト戦に勝ってセ・リーグ連覇を達成。大一番で主役を張ったのは、キャプテンの阿部だった。
【助っ人の力引き出す】
4回に先制24号ソロを放ち、6回にも適時二塁打。試合前、球団関係者に「今日は(先発が)グライシンガーだから、打撃に集中できるよ」と語った通りの活躍だ。自らの頭脳に絶対の自信を持つ新加入の助っ人右腕とは、開幕当初は配球面でかみ合わず悩んだ。だが、次第に阿部は「どんなサインを出しても首を振るから」と割り切り、配球のすべてをグライシンガーに任せて成功した。
この柔軟さが、ベテランぞろいの巨人で、29歳ながら主将を任される阿部の真骨頂だ。気分よく放れるようになったグライシンガーは、17勝目を挙げ2年連続の最多勝を手中にした。
「今日は10月10日。(阿部の)背番号が10だから、今日、優勝が決まりますよ」。妻の悠さんが阿部の母・由紀子さんにそう予言していたという。阪神が負けて見事に的中。ここまでは文字通り「慎之助の日」だった。
ところが、好事魔多し。とんでもない落とし穴が待っていた。6回の適時二塁打の直後、二塁走者としてリードを取り、けん制球に頭から帰塁した際、右肩を痛めて途中退場。都内の病院に向かい、原監督の胴上げには参加できなかった。
試合後のビールかけには、三角巾で右腕をつった痛々しい姿で駆けつけ、「今日はせっかく僕がヒーローだと思ったのに…。何とか早く復帰するよう頑張るのが、これからの仕事と思ってやります」と乾杯のあいさつをしたが、検査の結果は「右肩関節挫傷」。22日から始まるクライマックスシリーズ、さらに日本シリーズに出場した場合も、阿部の出場は微妙になった。
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