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市場蘇生も波及は「?」 金融危機、回復不透明

「世界が一夜で変わったようだ」。市場関係者が戸惑うほど前週末を挟んで金融危機をめぐる環境は激変した。異例の行動計画を示したG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)や日欧米の金融安定化策を好感し世界同時株安に沈んだ市場は息を吹き返した。だが、金融危機は拡散し、金融システム不安は依然残る。実体経済もむしばみ始めている。世界が危機のトンネルを速やかに抜け出せるかどうかは不透明だ。

 ◆過去最大の上昇率

 「ほっとしてます。何とかこの流れで…」。G7から帰国した中川昭一財務相は14日の会見で、かたずをのんで見守っていた欧米株式市場が反発したことに思わず本音を漏らした。3連休明けの東京市場も日経平均株価が戦後3番目の下落率を記録した前営業日から急反発し、前週末比1171円14銭高の9447円57銭で引けた。上昇率14.15%は過去最大だ。アジアや中南米など世界の主要市場も軒並み上昇。市場関係者からも「過度な不安が後退し、ようやく方向転換の動きが出てきた」(日興コーディアル証券の西広市エクイティ部長)との声が聞かれる。

 G7が行動計画を発表した時点では「公的資金投入の具体的な動き、特に米国の動向が見えない」(エコノミスト)との不満もくすぶっていた。欧州で公的資本注入や銀行間取引の公的保証などを柱とする金融安定化策が相次ぎ明らかになり、米国も14日夜の総合対策発表に向けて動くなど、金融システムの「負の連鎖」に歯止めがかかるとの期待が広がった。マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは「金融機関の資本増強の道筋が見えてきた」と評価する。

 ◆救世主の国内金融

 この間、日本も官民あげて市場の沈静化に一役も二役も買った。経営難の米証券大手モルガン・スタンレーへの出資を決めていた三菱UFJフィナンシャル・グループが13日に予定通り出資。株安で提携見直し観測も出ていただけに「市場の懸念が晴れた」(村上氏)。傷ついた欧米金融の救世主として国内金融機関の存在感は増している。

 さらに、麻生太郎首相の指示を受け、財務省が金融機能強化法の復活などを柱とした金融安定化策を発表。金融危機の日本への波及を断ち切る姿勢を示し、市場に安心感が広がった。

 内閣府が14日発表した9月の消費動向調査によると、消費者心理を表す消費者態度指数は前月比1.3ポイント上昇の31.4と6カ月ぶりに改善した。

 それでも、実体経済は世界的に「依然厳しい」(西氏)。米国では、9月の小売売上高など重要指標の発表が今後相次ぎ、15日からは金融機関の決算も本格化するが、市場予測は厳しい。サブプライムローン問題は実体経済にも波及し、商業用不動産や個人向けローンの停滞に加え、経営難の米自動車大手GM(ゼネラル・モーターズ)など企業活動の減速も鮮明だ。

 日本も、日銀が14日発表した9月の国内企業物価指数(2005年=100、速報値)は前年同月比6.8%増。これで55カ月連続プラスとなり「消費者心理の改善は一時的」との声もある。

 欧州を中心に、金融機関の情報開示の遅れなど「金融機関の破綻(はたん)懸念は去っていない」(大手証券幹部)との指摘もある。

 今年のノーベル経済学賞に13日決まった米プリンストン大のクルーグマン教授は記者会見で、世界経済見通しに関して、「景気後退に向かっており、それは恐らく長引く」と述べ、市場の楽観論にクギをさした。


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